2012年9月1日掲載 / 2019年12月1日更新
2012年9月1日掲載 / 2019年12月1日更新

浅草花やしきでは、新たなエンターテインメントが始まっています。

花やしき少女歌劇団について

 
Q: 花やしきアクターズスタジオについてお聞かせ下さい。
 
 2004年に、花やしきの経営がトーゴ(東洋娯楽機)からバンプレストさんに変わった事がきっかけで、花やしきアクターズスタジオは設立されました。前身のトーゴ(東洋娯楽機)が花やしきの遊園地を経営していましたが、トーゴが経営破綻した際に花やしきだけは残したいという近隣の方々のご意見もありまして、駒形にあるバンダイの子会社のバンプレストさんに手をあげて頂いたんです。元々バンプレスト、バンダイさんはお子様の笑顔のためにおもちゃを提供する企業だったので、せっかく浅草でリニューアルするのであれば、芸人さんがたくさんいる町で子供たちが笑顔になるようなものが作れないかという事で、6歳から15歳までの小学生から中学生の女の子たちを中心に園内でレビューショーを催してはという事で設立されました。
 そこで、2005年にアクターズスタジオを設立すると同時に「花やしき少女歌劇団」というレビューチームを結成しました。当時は、声優の養成コースもありました。現在は声優コースはありませんが、少女歌劇団は毎週日曜日にステージを務めています。
 
Q: 他にどのような行事に出演されているのですか。
 
 例えば、近々で言いいますとかっぱ橋本通りで毎年開催される下町七夕祭り。何年もずっと出演させて頂いてます。その他には、お富士さん(浅間神社)の植木市と花のフェスティバルや浅草観音うら一葉桜まつり、このような近隣のイベントに出演させて頂いています。また少女歌劇団のメンバーの「葵と楓」という、小さな頃から三味線や民謡をやっていた姉妹はプロ歌手としてデビューして、作曲家の平尾昌晃先生のプロデュースで先生が主催されるコンサートにも出演させて頂いています。
 
Q: プロを目指して来られる方も多いのですか。
 
 むしろ習い事として、電車一本で来られる子供たちが来て、園内のショーを務めています。プロを目指してというよりは、花やしきのステージを楽しむ、そしてお客様を楽しませたいという子が多いです。日曜日はステージがありますが、平日も土曜日もレッスンがありますから、通っています。
 
Q: 少女歌劇団は、アイドルのような存在となっていくのですか。
 
「花やしき少女歌劇団」はアイドルとまた違って、どちらかと言えば松竹歌劇団などのレビューチームに近い存在です。燕尾服を着て踊ったり。特にタップダンスは必須なので、入ってすぐに習い始めます。どちらかというと2歳、3歳の子供さんが少女歌劇団のステージを見て一緒に踊ってくれたら嬉しいなと思います。また、演じる側の少女歌劇団も、清く正しく、楽しくという風に育ってくれればと思います。
 
Q: 地元の方は松竹歌劇団への思い入れがあるのですね。
 
 そうだと思います、花やしきを松竹が運営していた時代もありますから。そのような名残りもありますから、レビューチームとして活躍してもらえればと願っています。
 

 
Q: 他には、どのような催しがありますか。
 
 イベントは常に色々な催しを行っています。敷地も限られていますが、お子様に人気なのはそれぞれのアトラクション等とコラボレーションしてスタンプラリーを行ったり、多目的ホール「花やしき座」では、オリジナルのプロレス団体を立ち上げまして、「ハナヤシキプロレス」として定期開催を行っています。夏は気候が良いので、ステージの前にリングを立てて屋外で催しています。他には、近在の芸者さんをお呼びして、踊りを披露して頂くようなショーも開催しています。
 
Q: プロレスファンの方の年齢層はいかがでしょう。
 
 プロレスも立ち上げた時には、テレビでもプロレス番組があった時代でしたが、子供の頃に見てた方が、現在ではちょうどお父さん世代になっていて、今はプロレス番組もなかなかありませんから、お子様連れのお父さんが子供の頃にはこういうプロレスがあったんだぞという話しながら観てもらえるようなものを目指しています。お子様のファンも増えています。ゲームをされている子供さんも、眼前で選手が戦っている所を観るというのも刺激があるようです。また世の中の流れでしょうか、女性のファンも多いですね。
 
Q: 後楽園等で開催されているプロレスとの違いはなんでしょう。
 
 「ハナヤシキプロレス」の特徴は、全員マスク姿です。ですから、ファンの方の感情移入の状況も、この選手というよりもこのキャラクターというのがあります。選手のリングネームも浅草と花やしきの中から生まれたものなので、例えば「ザ・カミナリモンスター」という選手がいたり、あとは「風神」「雷神」という分かりやすい選手がいたり、他にはアトラクションからローラーコースターの化身で「ザ・ローラーコースター」という選手がいます。ヒーローを応援するように、正義の味方と悪者という分かりやすい構成にもなっています。(右段に続く)

浅草での花やしきの位置づけについて

 
Q: 長い歴史とともに浅草周辺は変化していますが、今後の花やしきの位置づけはどのように考えられていますか。
 
 先の話と重なってしまいますけれども、昭和24年(1949)に現在の「浅草花やしき」になってから、遊園地を中心に営業してきて、お陰様で遊園地に来られる方の入園者数はずっと伸びております。ただやはり限られた敷地ですので、その中で遊園地だけではなかなか飛躍的な伸びも難しいのです。そのような中で園内にある多目的ホール「花やしき座」では、様々なイベントを行っており、多くのお客様にお越し頂いています。また閉園後の花やしき全体を貸し切りとして使って頂いたりと工夫しています。
 これまで夜の浅草は、非常にお客様が少なかったんですね。夜に営業している施設や店舗も少なかったですし、六区にある劇場や店舗も夜にも稼働しはじめている中で、花やしきも遊園地以外のエンターテインメントとして客層を広げて、それが浅草の繁栄にも繋がると良いなと思っております。
 
Q: 浅草界隈を観光された後に花やしきに立ち寄られるのでしょうか。
 
 お客様を拝見しますと、やはり遊園地目的で来られている方がまず一番多いです。ご家族ですと、特に花やしきを目指して来られる方がほとんどです。その帰りに、浅草寺にもお参りしてというような話は聞きますね。また浅草で食事や買い物をされてという流れかと思いますが、食事や買い物も花やしきで賄っていけるようにしたいと考えています。
 
Q: 花やしきで丸一日過ごすには、どのような遊び方があるでしょうか。
 
 乗り物に乗られるのは勿論ですが、園内で花々を楽しんで頂いたり、園内の飲食施設も力を入れておりますので、食事も楽しんで頂きたいと思います。花やしきは、お申し出頂ければ、一度出られても再入園が出来ますので、浅草寺にお参りされて、また戻ってくるとか、そういう方もいらっしゃいます。
 
Q: 花やしきが、元は花園で花が多く展示されていた事をご存知の方は多いのですか。
 
 意外にも、来て驚かれる方が多いですね。その辺を、私どもも全面に押し出していきたいと思っております。たとえば屋上からスカイツリーと浅草寺の本堂と五重塔が一望出来るエリアがありますが、上がってみて初めてこんなところがあったのかと言われます。少しずつこのような事が認知されて、シニアの方が団体でカメラをお持ちになって、園内の花だけ撮りに来られる事も増えてます。ですから、アトラクションに乗らなくても来て頂けるような施設やイベントを少しずつ増やしていければと思っています。
 

様々な花々や木々が生い茂る花やしきの園内

 
Q: 2020年のオリンピックに対して、どのような取り組みをされますか。
 
 2020年のオリンピックが、ひとつの区切りになりますから、総合娯楽場として海外の方々も受け入れる事が出来れば思います。パンフレットやホームページも日本語と英語版のみですし、海外の方に対応出来る従業員も少ないものですから、まずは多言語や飲食の対応等の強化を考えています。つい先日の春節の際にもたくさんの中国の方にお越し頂いたんですけれども、英語が通じない方が思ったよりも多くて、英語に堪能な従業員も、結局最後には漢字を使って筆談になってしまいました。ですから、英語だけでは駄目だという事に、私どもも気づきました。タイの方も最近は多くお出でになりますし、今後の対応を検討しています。
 
Q: ところで、園内のおすすめの撮影スポットはどちらでしょう。
 
 屋上になると思います。お天気の良い日はスカイツリーにも手が届くんじゃないかという程に間近に大変綺麗に見えますから。また浅草の町を一望出来るという事で、屋上は人気です。
 
Q: 最後に花やしきのPRをお願いします。
 
 三世代でお楽しみ頂けるというのが花やしきの持ち味だと思っていますので、どんな年齢の方が来られても楽しんで頂けるようなものを作っていきたいと思っております。また、少女歌劇団の女の子たちが一生懸命踊って歌っているのを見ると、皆さん笑顔になられます。このような場を大事にしていきたいと思います。そして少女歌劇団が周辺の催しに参加させて頂く事も連携のひとつだと思います。浅草にもこういう子供たちが頑張ってくれているという思いもあると思います。
 コメディアンの東貴博さんが、お父さんの東八郎さんが始められた「笑塾」という芸人育成塾を引き継いでおられて、花やしきを稽古場として使って頂いています。このような機会や場を広げていき、さらに浅草を盛り上げていきたいと思います。
 花やしきは、先年には開園160周年を迎えて開園記念の催しを行いましたが、さらに次の200周年を新たな一区切りとして邁進して参ります。


Beeタワーのゴンドラからは、浅草の市街が一望できます。

Beeタワーのゴンドラからは、浅草の市街が一望できます。